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レポート / SPAC『弱法師』お話会


告知は1週間前のSNSのみでしたが、当日は14名ほどが集まり、1時間ほどの短い時間ながら、とても濃い話ができました。

参加者の中には三島由紀夫の研究者が3名いらっしゃいました。それは、この演目への注目度を示しているといえるでしょう。お二人は「初演の評判を聞いて」とのこと。もうお一人は「初演で受けた衝撃をもう一度」と再演を心待ちにしていたそうです。

そして3人ともが「この舞台は驚きと発見だった」と語り、他の参加者も同じように強い感銘を受けていました。

興味深いのは、三島を熟知している研究者たちが、この『弱法師』を新鮮に感じていたという点です。 つまり、三島作品への固定観念を、今回の舞台が見事に裏切っていたということでしょう。

これまで多くの(主に男性の)演出家が、この作品を手がけてきました。その積み重ねの中で、登場人物のイメージがある種の“型”として固定されていったのかもしれません。

しかし、本作の演出はそれとはまったく異なる方向を示していました。そのことは、研究者たちの言葉からもはっきりと伝わってきます。

では、今回の演出はどのような意図で、何を見せようとしていたのか。

それは、ぜひ劇場でご自身の目で確かめてほしいと思います。

演劇に馴染みがない方でも、この舞台の“驚き”はきっと体験できるはずです。 俳優陣は圧倒的で、一瞬たりとも目を離すことができません。 上演時間は約1時間。最後まで集中して楽しめると思います。

僕は初演時に2回観ましたが、今回も同じように心を揺さぶられました。 前回はその衝撃を劇評に書き残しましたが、また改めて“続編”を書いてみたくなっています。

静岡芸術劇場での一般公開は今週末の2公演のみ。 できればもう一度、劇場で体験したいと思っています。


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