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Interview / ダンサー 三井ひまわり(後半)

Interviews for Next Generation

清水文化会館マリナート大ホールで行われた合同ダンス公演『ONE Daydream – adventure -』で少女役を務めたダンサー三井ひまわりさんへのインタビューの後半部分です。中学2年生の三井さんは、すでにプロのダンサーになるためのプランを具体的に考えていました。それは静岡を離れて東京近郊の高校へ進学することから始まるようです。
前半部分はこちら → Interview / ダンサー 三井ひまわり(前半)

ココ:将来はプロになりたいという明確な目標がありますね。そうなるためのプランはありますか。

ひまわり:はい。高校の進学は東京都心へ通いやすい関東を考えています。

ココ:なるほど。その高校でダンスを学ぶのですか。

ひまわり:いいえ、普通の高校です。東京に行きたいスタジオがあって、そこに通いたいので家族で東京近郊へ引っ越す予定です。引っ越しを考えているのは希望のスタジオがあることもそうですが、高校卒業後に関東のテーマパークでプロのテーマパークダンサーになるためにオーディションを受けたいからです。そして、東京でキャリアを積んだら静岡に戻ってテーマパークダンスを広めたいと思っています。


ココ:関東圏へ引っ越すことでプロダンサーへの道が描けるということですね。そして、その後のキャリアまで考えているのですね。

ひまわり:まずは合格したいです。何百人もオーディションを受けに来るので、競争率がとても高くて一部の人しかなれません。厳しい世界なので、合格できるようにできるだけ準備したいと思います。また、ダンサー契約は1年ごとなので、その後もがんばらないといけません。

ココ:想像以上に狭き門なのですね。ちなみに日本にテーマパークはどれくらいあるのでしょうか。おかむられなさんが以前所属していたのは、香川のニューレオマワールドでしたよね。

ひまわり:はい。大きいところでは東京ディズニーランド、ユニバーサルスタジオジャパン、サンリオピューロランドなどがあります。静岡だとパルパルもテーマパークだと思います。

ココ:テーマパークダンサーになれるのはほんの一握りの選ばれた人たちなのですね。タカラジェンヌのようです。18歳まであと5年ほどですが、その夢を叶えるためにダンス以外にどんなものを身につけたいと考えていますか。

ひまわり:私、喋るのが苦手で、はきはき喋れないので、そういう内気なところをれな先生みたいに、はきはき喋れて明るい性格を持った人になりたいです。

ココ:そのためには何が必要ですか。

ひまわり:自分のよさを自然に伸ばせればいいなと思います。

ココ:舞台やパレードを拝見してきましたが、三井さんは表情も豊かで自然な笑顔が出せていると思います。普段はシャイということですが、ステージに登れば一変しているということですよね。だとすると、無理に性格を変えなくても、踊っている時にしっかり輝けば良いですし、スイッチを押さなくても、その状態になれることは素晴らしいと思います。


ひまわり:はい。本番が一番楽しいです。ダンスは好きなことなので、踊っている時が一番幸せです。

ココ:技術的なところをどう伸ばしていきたいですか。プロフェッショナルなダンサーと一緒に踊っていて、どう感じますか。

ひまわり:基礎がまだ足りないので、バレエのレッスンに通っています。家にもバレエのバーがあるので、それでも練習したり。基礎を伸ばしていきたいです。れな先生たちの横で踊っていると、違いが分かってしまうと思うのですけど、追いつけるようにがんばりたいです。すぐ横で踊れるのは嬉しいのですが、やっぱり緊張します。れな先生たちは人間じゃないくらい高く足が上がるので。

ココ:それを実感できるっていいですね。その意味でも今回のステージは学びが多かったのではないですか。

ひまわり:今回のダンス公演は、演技もあったけどダンスに集中したくて、夜遅くまで仲間と一緒に練習していました。毎日スタジオに通って、ここがダメだなと思うところを、仲間と言い合ってできたのも良かったです。小さい子が困ったらここどうやってやればいいのと聞いてきてくれたり、仲が深まることもありました。ただ立ち位置オーディションとかになればピリピリした緊張感もあり、そうしたメリハリのある環境があったことも良かったです。

ココ:これからオーディションなどが増えていくと思いますが、プレッシャーにどう向かっていくのですか。

ひまわり:オーディションに受からないとか、無理だろうと思っても、ちょっとだけでも可能性はあるはずだし、今の経験が今後にもつながっていくと思うし、未来の自分のために挑戦していきたいです。


ココ:上達には限りはないので、常に挑戦であり、常に到達点へのその時々の過程でもありますね。ぜひその姿勢を続けてください。では、ダンス環境としての静岡がもっとこうなるといいなということありますか。

ひまわり:れな先生たちがテーマバークダンスを広めていってくれているけど、静岡ではまだテーマバークダンスが知られていないので、もっと広まるといいなと思います。人を笑顔にできるダンスがしたいです。

ココ:街中とかでもパレードができればいいけど、地方だとその機会が少ないのが現実ですね。どう広めたらいいですか。

ひまわり:SNSとかで広められると思います。先生になったらたくさん発信して、周りにも伝えたいです。いつか、自分の作品を発表したいから、その時はお客さんをたくさん呼んでテーマパークダンスの良さを知ってほしいです。

ココ:話を少し変えますが、ライバルのような人はいますか。

ひまわり:ライバルって感じではないけど、ワンディ(自身が通うダンススタジオONE Daydream)のメンバーは意識します。前回のパレードのお花役の人もどんどん上手くなっていって、今回の公演でも良い立ち位置をもらったりしているので、私も負けないようにがんばって練習しています。

ココ:仲がいいけど、真剣に取り組んでいるのが分かります。

ひまわり:はい。ダンス仲間は、心の支えになっていると思います。練習が忙しかったりして、学校の友達とは遊べないけど、ダンス仲間は行動が一緒なのでご飯行ったりします。みんなでお喋りする時間が楽しいです。


ココ:ダンスを盛り上げるためにどんな機会がもっとあると良いと思いますか。

ひまわり:ダンスのレベルとか関係なしに、全員が楽しんでダンスができる場所があったらいいです。やらなきゃじゃなくて、やってみたいなとかやりたいなと思ってダンスが楽しめる場所です。

ココ:どんなイメージですか

ひまわり:レッスンじゃなくて、やりたいときにスタジオに来て、みんなで教え合ったりとかできる感じです。ワンディとかでもあるけど、すぐに誰でも飛び込んで来られる場所、そんな環境ですね。

ココ:環境はとても大切ですね。その環境は自分で作るか、環境のある場所へ移動するか、この二つが選択として考えられます。三井さんは、関東へ越すことによってダンス環境を得ようとしているわけですが、まずは受験ですね。

ひまわり:はい。勉強は大変ですが、夢を叶えるためにもがんばりたいです。

ココ:今日はインタビューを受けて頂きありがとうございました。写真撮影を担当して頂いたお母さまにも感謝いたします。


ーー おわりに。
趣味を聞くとメイクだと、今時の中学生らしい答えが返ってきた。遊びたい盛りでもあるはずだが、彼女はテーマパークダンサーという夢を叶えるために、日々の挑戦を続けている。その中でおかむられなという指導者との出会いが大きかったことが伺えた。おかむらのつくりだす環境は、若手ダンサーにやる気と勇気を与えているのは間違いないだろう。三井さんはそれをきっかけにより明確な目標を持ち、その結果として東京でのチャレンジを希望するに至ったのだ。やはり東京に出てしまうのかと思う向きもあるかもしれないが、才能あるものが静岡から旅立ってしまうのを止めることは出来ないし、止める必要はないだろう。三井さんは立派なダンサーになりキャリアを積んだあとに静岡に戻ると明言する。そのようなサイクルが、この地方都市にダイナミズムを与えるはずだ。大切なのは、広い世界でキャリアを積んだダンサーたちが静岡に戻ってきた時に活躍できる環境を整えること。その点でいえば、今回の合同ダンス公演もその環境づくりの一貫として捉えることができるだろう。総指揮を取るおかむられなの視線は、スタジオ(教室)単位ではなしに分け隔てなくダンサーが活動できる地域のダンス環境づくりにすでに向いている。三井さんはその環境の中で試行錯誤を重ねながら未来を見据えている。

インタビュー前半はこちらへ。→ Interview / ダンサー 三井ひまわり(前半)


ステージ写真はすべて合同ダンス公演『ONE Daydream – adventure -』(企画・製作 株式会社ONE Daydream)となります。

インタビュー日:2024年10月14日
場所:東静岡駅付近
インタビュアー:柚木康裕(cocommons)
写真:ステージ写真は株式会社ONE Daydream提供
ポートレイトはEmi MITSUI

SPECIAL THANKS
おかむられな(株式会社ONE Daydream)

[ 関連サイト ]
ダンススタジオ ONE Daydream
Interview / テーマパークダンサー おかむられな

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