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Report / ココモンズ劇評会 SPAC『弱法師』劇評掲載

10月27日に初めて開催した劇評会は劇評提出者3名を含めて16人の参加者となりました。遠くはフランスや沖縄からアクセスして頂きオンラインの良さを改めて実感。また年齢も大学生から60代までと幅広い層に参加して頂き、多彩な意見を交換しあえたことも大きな収穫でした。
この場を借りて改めてお礼申し上げます。

3本の劇評を発表しながら、それぞれの感想を交わすという流れで進めていきました。これらの戯曲はこのHPに掲載していますので、ぜひご一読頂けますと幸いです。またそこから新たな思索が始まれば嬉しく思います。

今回、ひとつ有り難かったのは三島由紀夫の研究者が参加されたこと。これには面白いエピソードがありました。私が戯曲を書くにあたっていろいろと文献を調べていたところネット上で発見し、興味深く拝読した論文(*1)の作者だったのです。しかも偶然にも知人の文学研究者の知り合いだったのです。こんな絶妙な出会いが起こるのも三島由紀夫という作家の吸引力なのかもしれません。

3本の劇評の意見交換が終わった後に、執筆者でSPAC劇評コンクールでもたびたび賞を獲得している小田さんのミニ劇評レクチャーを行いました。「批評することも演劇活動のひとつです」というSPACの言葉を引き合いに出しながら、劇評の目指すものや効果を簡潔に伝えて頂きました。舞台を言葉にして伝えるのは勇気もいることですが、書くことによって観劇体験がより深まることは確かです。ただ専門家のように書こうとするとハードルが高く感じられるので、気張らずにまずは感想から書き始めるでも十分でしょう。また書いたものを他者に読んで頂き意見を交わす機会を持つことによってさらに劇評を書く体験に価値をもたらすことが、今回の劇評会を行うことによって実感しました。また機会を作りたいと思います。

劇評は以下の3本となります。
感想などありましたら、気軽にお寄せください。(お問い合わせフォーム
どうぞよろしくお願いいたします。

柚木康裕(ココモンズ)

SPAC『弱法師』ココモンズ劇評会 提出作品

「複数的な演出原理の説明なき同居」小田透

「よろ星――弱く激しい光りに灼かれて」美音子

「□△○の界(さかい)に」柚木康裕

*1)三島由紀夫「弱法師」論 : 背景としての昭和三十五年 木谷 真紀子

画像提供 SPAC-静岡県舞台芸術センター

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