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Interview / ミチタリアンズインミライエリアン『君が名づける鳥』演出:松島誠

12月17日(土)の公演が近づいてきたミチタリアンズインミライエリアン『君が名づける鳥』の稽古に伺い、主宰の嶋村彩さんと演出の松島誠さんにお話を伺いました。第1弾として松島さんのインタビューをお伝えします。

[ 公演情報 ]
ミチタリアンズインミライエリアン
 『君が名づける鳥』

会場:MIRAIEリアン コミュニティホール七間町
日時:2022年12月17日(土)①13:00~13:50 ②17:00~17:50
   ※15分前より開場
料金:一般 3,000円
    ※障害者手帳・療育手帳をお持ちの方2,000円(介助者1名無料)
   高校生以下1,000円
    ※障害者手帳・療育手帳をお持ちの高校生以下 無料(介助者1名無料)
チケット:イープラス
https://eplus.jp/sf/detail/3735250001-P0030001

カンパニー名:ミチタリアンズインミライエリアン
嶋村彩さんがこれまでWSや公演で関係を築いてきたメンバーに声をかけ今年3月に立ち上げたダンスカンパニー。メンバーは障害はあれど表現力豊かな9人と、健常者パフォーマー13人の22人。今回は演出の松島誠さんのカンパニーからお二人が参加され、24人で公演に臨みます。
「ミチタリアンズ」の名の由来は、置かれた環境に関わらずメンバーたちはポジティブなエネルギーに満ち足りていると感じたところから。

■ 演出家:松島誠さんインタビュー

 ー「ミチタリアンズ」という名前通りにその瞬間に生が満ちている。そんな瞬間の連鎖が作品「君が名づける鳥」となって立ち上がってくるところを見てほしい。

ココモンズ:公演まであと1週間となりました。手応えはいかがですか。

松島:今日、はじめて通すことができました。出演者が24人と多く、すべてのメンバーが揃ってできることが少ないので難しさがありますが、みなさんが意欲的に取り組んでいるので頼もしいです。素晴らしい作品をお見せすることができると思います。

ココ:演出家としてどのようなところに気を配っていますか。

松島:初めて会う方たちばかりなので、まずはメンバーがどんな人なのか知るところから始めました。障がい者と健常者の混成チームということもありさまざまな個性が集まっています。本格的なダンストレーニングの経験がある方はほとんどいないのですが、それゆえに可能なことがあることを、これまでの稽古を通して教えられています。稽古に集中してくると、指示がなくても直感的に動き出したりするのです。それが面白い。まさに「今でしょ!」という絶妙なタイミングで動き出したりして。その表現したい想いをどう活かしていくかが、今回の演出家としての仕事だと感じています。

ココ:なるほど。そのさまざまな個性をそのまま発揮でいきるように場を整える感じでしょうか。

松島:はい。私がすべてを振付けして指導していくことはありません。自然と生まれてくる動きを活かたり、それぞれが考えていることを取り込んだりして、ガイド役のような感じですね。例えば絵を描く時のように、色と色の配色を考えるみたいな。鮮やかな色の横に鮮やかな色に置いたり、落ち着いた色を置いたりしながら、時間の中で描く感じでしょうか。そうしているうちに全体の絵が見えてきます。

ココ:「ミチタリアンズ」はどのようなダンスチームに成長していますか。

松島:まず、稽古の最初からとても驚いたのはお互いが自然に助け合う姿です。当たり前に手を差し伸べる関係性があることを感じました。それは決してやってあげるというように見えません。躊躇なくお互いをケアできる信頼関係があり、そのような包容力が作品創りに良い影響を与えていることが分かります。

稽古ではそれなりのタスクを個人に課します。面白いのは、それに応えようとするダンサーのエネルギーに刺激を受けて、他のメンバーへそれが伝播していくことです。そうしてテンションが上がっていくのですが、それが自然にできるのは稀有なことだと思います。またメンバーが揃わない時は稽古に付き添っている方に代役をお願いするのですが、この方達もフルパワーで臨んでくれる。とても素晴らしいチームに成長していますが、このメンバーが集まっているのも彩さんの人徳なのだと思います。

ココ:最後に見どころを教えて頂けますか。

松島:今回はみんなで冒険してみよう、遊んでみようと声をかけています。それはダンサーの皆さんだけでなく、照明や音響も同様です。例えば音楽も無難なBGMではなくしっかり主張する。映像も使うのですが、ただのイメージ背景ではなくそれひとつが作品のように在ることなど、1+1が2ではなく、3でも4でもなるように挑戦しています。

そして、やはり見てほしいのはダンサーたちの生き生きと踊る姿ですね。僕は演出家として構成を整えていく上で一番気遣ったのは、上演中の瞬間瞬間に嘘がないようにすることでした。舞台上ではみんなが生き生きと生きている状態でいられることが何よりも大事です。「ミチタリアンズ」という名前通りにその瞬間に生が満ちている。そんな瞬間の連鎖が作品「君が名づける鳥」となって立ち上がってくるところを見てほしいです。ぜひこの瞬間に立ち会ってください。

ココ:ユニークな個性が集まった「ミチタリアンズ」の舞台が楽しみです。インタビューをお受け頂き、ありがとうございました。

近日中に主宰の嶋村彩さんのインタビューも掲載します。お楽しみに。

[ 関連情報 ]
公式サイト:https://slm-shizuoka.amebaownd.com/
スロームーブメント静岡実行委員会代表の日記
https://ameblo.jp/slmshizuoka/

[ プロフィール ]

松島誠(まつしままこと)
静岡県沼津市生まれ。パフォーマー、演出家、美術家。
日本大学芸術学部卒業。 1983年から2006年まではフォーミングアーツカンパニー/パパ・タラフマラに在籍。 ほぼ全ての作品にメインパフォーマー、舞台美術家として参加。 2012年、グループが解散するまでコーポレートメンバーとして活動に関わる。
1995年よりソロ活動を開始。
2006よりMike Nord(米)、Georg Hofman(スイス)、あらた真生(東京)とのインプロビゼーションユニット「NORUKASORUKA」を結成。
パフォーマーとしてヨーロッパ、アメリカ、アジアなど20ヶ国以上、また国内で通算500回以上の公演を行う。
ダンス/身体表現をベースにしながらの演出から、振付け、美術、オブジェ作品、VOICE表現と、作品は既成の枠にとらわれず、フィールドを拡大しながら活動を続けている。
2019年、創作のベースを東京から沼津に移し活動中。
2021年、松島礼、松島花とともに家族パフォーマンスユニット、松島家として活動を始める
2005~2008年 杉野服飾大学先端ファッション表現科 非常勤講師
2008、2010、2018年 韓国国立総合芸術大学(Korea National university of Arts)舞踊科 客員教授
2021、2022年 武蔵野美術大学空間演出デザイン学科 非常勤講師

[ 公演情報 ]
ミチタリアンズインミライエリアン
 『君が名づける鳥』

会場:MIRAIEリアン コミュニティホール七間町
日時:2022年12月17日(土)①13:00~13:50 ②17:00~17:50
   ※15分前より開場
料金:一般 3,000円
    ※障害者手帳・療育手帳をお持ちの方2,000円(介助者1名無料)
   高校生以下1,000円
    ※障害者手帳・療育手帳をお持ちの高校生以下 無料(介助者1名無料)
チケット:イープラス
https://eplus.jp/sf/detail/3735250001-P0030001

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