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Interview / 劇団静火 鳥居初江

ー 私たちが楽しいのは大切だが、それが独りよがり、身内受けだけに留まらないように、しっかり観客の気持ちを動かしたい。

今週末の第13回本公演を目前に控えた劇団静火(げきだんしずか)代表の鳥居初江(とりいはつえ)さんにお話しを伺いました。

ココモンズ:直前の忙しいところにありがとうございます。まずは劇団の紹介をお願いできますか。

鳥居初江:はい。劇団静火はSPAC(静岡県舞台芸術センター)の県民劇団育成事業をきっかけに誕生した劇団です。設立から10年以上経ちますが、2018年に劇団員の構成が変わりリスタートしました。会社員を中心とした社会人劇団です。

ココ:公演を行う頻度はどの程度ですか。またコロナの影響はありましたか。

鳥居:年に一度は本公演を行いたいと思っています。ただコロナになり20年と21年は上演は叶いませんでした。なので今回は3年ぶりの本公演ということになります。

ココ:清水邦夫『楽屋』を選んだのはなぜですか。

鳥居:『楽屋』は再演になります。コロナ前の2019年本公演が『楽屋』でした。現在の劇団員の人員的な状況もあったのですが、今回は演劇愛を伝えることを演出テーマにしていることもあり、その意味でもこの戯曲は適していると思いました。古典の名台詞を引用したり、独白も聞き応えがあるので演劇好きには一層楽しめるのではないでしょうか。

ココ:鳥居さんの今回注目してほしいことはどんなことですか。

鳥居:『楽屋』は4名の女優が登場しますが、役者それぞれもカラーが違うので、どう演じるのか楽しみにしてほしいですね。私は衣装チェンジが多いので、とにかく段取りを間違えないようにしないといけませんが、その衣装も楽しんでほしいと思います。あとは、やはり独白の台詞です。どれだけ自分に落とし込めるのか、上演直前まで探りながら稽古することになりそうです。

公開リハーサルの様子

ココ:先ほど劇団静火は2018年にリスタートしたと伺いました。リスタート後の公演は七間町の小劇場「あそviva!劇場」で開催しています。この意図は何でしょうか。

鳥居:やっぱり観客との距離が近いことではないでしょうか。すぐ目の前にお客様がいるので一体感を感じられることは魅力です。あと空間が作りやすいこともあります。予算が限られているので、大きな空間を埋めるのはなかなか大変なので。他にも料金がリーズナブルとか、街中にありアクセスが良いことなど、私たちような社会人劇団には魅力のある劇場だと思います。

ココ:最後にこれからの目標を教えて頂けますか。

鳥居:劇団静火をたくさんの方に知って頂きたいです。社会人劇団なので活動頻度は限られてしまいますが、本公演は定期的に続けたいと思います。また役者としてのスキルを高めて、ワークショップなども挑戦してみたいです。最近では常磐公園で行われている常磐朝市で紙芝居を始めたりしています。組織運営も含めまだまだ成長したいことが多くあるので、いろいろと学んでいきたいですね。

ココ:今日はありがとうございました。週末の公演成功をお祈りしています。

・  ・  ・  ・  ・

鳥居さんは役者として、また劇団代表として、そして社会人として演劇に対して真摯に向かわれていることが、会話を通じて良く感じられました。アマチュア劇団の楽しみと苦労(言い換えると「選択できる自由」)を噛み締めながら、ゆえに演劇の魅力を人一倍感じているのでしょう。私たちが楽しいのは大切だが、それが独りよがり、身内受けだけに留まらないように、しっかり観客の気持ちを動かしたいと真っ直ぐな眼差しで語る姿が印象的でした。

第13回本公演『楽屋』開演まであと少し。
楽しみに待ちたいと思います。

テキスト:柚木康裕(ココモンズ)
収録日:2022年11月21日

[ 公演情報 ]
劇団静火第13回公演 再演
『楽屋〜流れ去るものはやがてなつかしき〜』


作:清水邦夫
日時:11月26日(土) 27日(日)
場所:あそviva!劇場

劇団静火 twitter
@gekidanshizuka

ご予約・詳細は劇団HPでご確認ください。
https://gekidanshizuka.wixsite.com/gekidanshizuka

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